脳皮質形成過程のニューロン遊走において、核運搬の推進力発生機構の解明を目指した。組織の閉鎖空間では、膜張力により活性化する機械受容チャネルPIEZO1がPKC-Ezrin経路を介して細胞後方にアクトミオシン収縮を起こすことを明らかにした。また、核膜分子Nesprin2がキネシンとダイニンの切替を繰り返して核運動を保ち、前進する微小管に沿って核が移動することを実証した。さらに、組織間隙を遊走する機械的ストレスによりニューロンが高頻度でDNA損傷を被り、非相同末端結合(NHEJ)で修復することを証明した。NHEJ責任分子Lig4欠損動物ではDSB修復が阻害され、運動失調が進行することを見出した。
|