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2023 年度 研究成果報告書

脳組織3D空間におけるニューロン遊走制御機構

研究課題

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研究課題/領域番号 20H00483
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分46:神経科学およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

見学 美根子  京都大学, 高等研究院, 教授 (10303801)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード核輸送 / 微小管モーター / アクトミオシン / 核損傷 / ライブイメージング
研究成果の概要

脳皮質形成過程のニューロン遊走において、核運搬の推進力発生機構の解明を目指した。組織の閉鎖空間では、膜張力により活性化する機械受容チャネルPIEZO1がPKC-Ezrin経路を介して細胞後方にアクトミオシン収縮を起こすことを明らかにした。また、核膜分子Nesprin2がキネシンとダイニンの切替を繰り返して核運動を保ち、前進する微小管に沿って核が移動することを実証した。さらに、組織間隙を遊走する機械的ストレスによりニューロンが高頻度でDNA損傷を被り、非相同末端結合(NHEJ)で修復することを証明した。NHEJ責任分子Lig4欠損動物ではDSB修復が阻害され、運動失調が進行することを見出した。

自由記述の分野

神経発生学

研究成果の学術的意義や社会的意義

細胞遊走は、形態形成、免疫監視、がん転移など多くの生理・病理過程を司る。脳皮質形成過程のニューロン遊走の破綻は重篤な脳奇形の原因となるほか、自閉スペクトラム症や統合失調症との関連も指摘されている。本研究では、ニューロンが狭い組織空間を潜り抜けるために有効な力を発生する細胞骨格連携機構を明らかにした。また、組織立体空間のメカノストレスに新生ニューロンが応答する細胞分子機構を初めて見出した。本研究成果は脳皮質形成機構および細胞遊走機構の解明に大きく貢献するもので、細胞遊走の破綻を伴う疾患や、ガン細胞浸潤の病理機構を理解する上で重要な足掛りとなると期待される。

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公開日: 2025-01-30  

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