本研究は、有機化学的手法により、生細胞内および動物個体内において特定の標的タンパク質を人為的に構造変化させる化学触媒の開発を目指している。有機触媒化学を利用して、エピジェネティクスやアルツハイマー病発症に重要なタンパク質・ペプチドを選択的に修飾することを可能にすることで、医療等に役立つ成果につなげる。 生細胞内など多種類の分子が共存する夾雑系で、有機触媒化学的戦略を駆使して標的タンパク質の精密な選択的修飾を可能にすることは、難易度が高く、その成功は学術的意義が大きい。このような困難な課題の一般的解決法が見出されれば、生命科学や医療への波及効果が大きいと期待できる。
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