生体内の脂肪酸代謝バランスは健康維持において重要であり、その多くは生理活性物質に変換されて機能すると考えられている。本研究では、最先端の質量分析計と情報科学を駆使したリピドミクス解析システムの構築、および各種脂肪酸代謝酵素の遺伝子改変動物を駆使することにより、多彩な脂肪酸代謝ネットワークによる生体制御およびその制御破綻による疾患メカニズムについて、分子レベルでの解析を進めた。その結果、生体恒常性の維持における脂肪酸代謝ネットワークの重要性について、分子レベルでの理解を進めることができた。また、その中から炎症・修復・免疫系の制御に関わる複数の生理活性代謝物の同定に成功した。
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