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2023 年度 研究成果報告書

プロスタグランジンによる腫瘍免疫抑制:標的細胞とメカニズムの解明

研究課題

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研究課題/領域番号 20H00498
研究種目

基盤研究(A)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

成宮 周  京都大学, 医学研究科, 寄附講座教員 (70144350)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードprostaglandin E2 / PGE receptor EP2 / PGE receptor EP4 / 腫瘍微小環境 / 腫瘍浸潤骨髄系細胞 / 腫瘍浸潤T細胞 / bioenegetics / scRNAseq
研究成果の概要

本研究では、マウスLLC1腫瘍とヒト腫瘍の浸潤免疫細胞をscRNAseqで解析、腫瘍微小環境の免疫回避におけるPGE2-EP2/EP4受容体経路の役割を解析した。その結果、前者では、本経路が浸潤骨髄系細胞に働いて炎症、血管新生を活性化する一方で制御性T細胞を誘引、活性化して、炎症活性化と免疫抑制を両立させていることを見出した。更に、後者では、本経路が浸潤免疫細胞でc-Mycを抑制してリボゾーム生合成を阻害するとともに解糖経路とミトコンドリア電子伝達系の両方に働きエネルギー代謝を抑制していること、この結果、CD8+ T細胞の増幅、遊走、腫瘍殺傷活性を阻害して免疫抑制を発揮していることを解明した。

自由記述の分野

薬理学、生化学

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究の学術的意義は2つある。一つは、アスピリンなどのPG生合成阻害薬の抗腫瘍作用のメカニズムをPGの腫瘍微小環境での作用から明らかにしたことである。これはアスピリンがどうして腫瘍死のリスクを軽減するかという永年の謎に一つの回答を与えたことになる。もう一つは、浸潤免疫細胞でのPGE2依存性のエネルギー代謝抑制を明らかにして、腫瘍微小環境には既知の免疫check pointや物理的バリアーに加えて、代謝バリアーという新しいバリアーが存在することを示したことである。社会的には、本研究は、現在実施されているEP2/EP4拮抗薬の抗腫瘍作用の臨床治験に理論的根拠を与え、促進すると期待される。

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公開日: 2025-01-30  

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