研究課題/領域番号 |
20H00510
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
北村 大介 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (70204914)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自己免疫疾患 / 自己抗体 / 記憶B細胞 / IgA腎症 |
研究成果の概要 |
IgA腎症(IgAN)モデルgddYマウスおよびIgAN患者の血清に糸球体メサンギウム細胞内タンパクに結合するIgA自己抗体を見出した。また、gddYマウス腎臓に蓄積したIgA型形質芽細胞由来のIgAは体細胞超変異を有し、メサンギウム細胞の表面に結合し、自己抗原とgddYマウス口腔内細菌に交差反応を示した。さらに、抗生剤投与により形質芽細胞の蓄積と自己抗体産生、腎症状が抑制された。本研究から、特定の口腔内常在細菌に感作されたB細胞がIgA型記憶B細胞となり、メサンギウム抗原に反応するIgAを産生する形質芽細胞を持続的に供給すると考えられた。
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自由記述の分野 |
免疫学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自己免疫疾患の主な原因の1つである自己抗体の産生機序は不明である。しかし近年、B細胞除去療法の結果より、記憶B細胞の継続的な活性化が自己抗体の長期産生に関わっていること、また、記憶B細胞の抗原提示・エフェクター機能が病因として注目されている。本研究では、このような病原性記憶B細胞に焦点を当て、自己免疫疾患の病態における記憶B細胞の産生機構、その役割や作用機序を明らかにし、病原性記憶B細胞を標的とした免疫制御方法を見出すことを目的とした。この成果は、自然抗体や制御性B細胞を損なうことのない、免疫病の新たな原因療法の創出に繋がると期待される。
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