筋萎縮性側索硬化症等の運動ニューロン疾患モデル動物を用いて、発生早期における異常検出と加齢に伴う神経変性の過程を明らかにすることを主眼とした課題である。神経変性疾患の発症前段階を、各種網羅的解析により分子生物学的に捉え、神経変性の空間的、時間的特異性に関わる要因や分子を同定し発症機序を解明することを目指している。 超早期における分子レベルの変化と遅発性の発症・進行とを結ぶという本研究の問いは独自性があり、学術的にも重要と思われる。特に分化を制御する因子が発症にも関与しているという視点は興味深い。研究方法も具体的であり、長期間かけて発症に至る神経変性疾患の病態機序の一端が明らかになることが期待できる。
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