性分化疾患・生殖機能障害は、単一遺伝子疾患としてのみならず、環境因子と遺伝的感受性に支配される多因子疾患としても発症する。本課題は、環境因子として子宮内発育不全、遺伝的感受性としてエストロゲン受容体alpha遺伝子(ESR1)の微細欠失、環境因子と遺伝的感受性の協調作用解析モデルとして遺伝子改変マウスを対象とする研究項目を設定し、多因子疾患としての性分化疾患・生殖機能障害発症機序の解明に挑む。 得られた結果につき多数のヒト臨床検体で検証される予定である。DOHaD仮説のスペクトラムに性分化疾患・生殖機能障害を含め、その発症機序を科学的に証明するという学術的意義と共に、妊娠期の適切な栄養管理や内分泌かく乱物質の影響について理解を促すなど、社会的波及効果も期待される。
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