研究成果の概要 |
上皮内肺がん、微小浸潤腺がんのゲノム変化に基づき、早期肺発がん機構のメカニズムを明らかにした(Suzuki et al, Nat Comm, 2023)。がん遺伝子変化は初期肺腫瘍の形成に働き、がん抑制遺伝子の変異は、初期腫瘍の悪性化に働くことが明らかにされた。グローバルなDNA低メチル化とそれに伴うコピー数変化、大規模構造変化は悪性化に寄与すると推察された。RET遺伝子変異の中に新規がん原性変異を見出し、その活性化やがん化能はRETキナーゼ阻害薬により抑えられることを証明した。以上より、RET遺伝子の点変異は、肺がんなど複数のがん種の発がんに寄与し、治療標的分子となることが明らかになった。
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