研究課題/領域番号 |
20H00549
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
高橋 琢哉 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (20423824)
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研究分担者 |
實木 亨 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (10546675)
阿部 弘基 横浜市立大学, 医学部, 助教 (40737409)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 可塑性 / AMPA受容体 / 脊髄損傷 |
研究成果の概要 |
脊髄損傷後の運動麻痺はリハビリでは十分な回復が困難であり、自立や社会参加を妨げる。本研究ではAMPA受容体シナプス移行を促進するedonerpic maleateを非ヒト霊長類脊髄損傷モデル6頭に投与し手指麻痺の改善程度を検討した。結果、本剤は対照剤と比較して脊髄損傷後の手指巧緻運動障害からの回復を有意に促進した。また、本剤投与によって運動野における上肢遠位の体性局在部位が拡大した。この結果は、edonerpic maleateが脊髄損傷後に大脳皮質運動野における可塑的変化を促進し手指巧緻運動に必要な神経回路を再編し、リハビリ効果を高めた、と捉えられる。
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自由記述の分野 |
神経科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果は、AMPA受容体のシナプス後膜への移行を促進するedonerpicが先行研究(Abe et al., Science, 2018)で示された皮質損傷や内包出血後の運動麻痺だけでなく脊髄損傷後の運動麻痺においても機能回復効果が見られることを示しており、その適応拡大の可能性を示唆している。また脊髄損傷後の機能回復に伴う大脳皮質の機能再編が薬理学的に促進可能であることも示している。WHOによると年間約25万人程度が脊髄損傷と診断されており、後遺障害の克服は社会的課題である。本研究は、脊髄損傷後の機能回復を薬剤で促進することができる可能性を示唆している点において社会的な意義があると考える。
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