研究課題
IgG4関連疾患は、全身の多臓器に腫瘤形成とそれによる機能障害を生じ、高IgG4血症と病変局所のIgG4陽性形質細胞の浸潤と線維化を特徴とする特異な全身疾患であるが、有効な治療法はなく、病因解明と新規治療法の開発が強く求められている。本研究では、従前の研究成果を基盤として、特異なT細胞、B細胞、マクロファージのサブセットに着目し、IgG4-RDの病因を解明することを目指した。まずは、IgG4-RDの末梢血と罹患臓器における特異なT細胞、B細胞、マクロファージを同定するために1細胞レベルでの遺伝子発現解析を行い、さらにT細胞受容体とB細胞受容体のレパトア解析を行なった。その結果、濾胞性ヘルパーT (Tfh) 細胞のうち、免疫チェックポイント分子であるLAG3 (Lymphocyte activation gene 3) を発現しIL10+Tfh細胞や CD4+ GZMK+ cytotoxic T細胞、CXCL13+PD1+CXCR5-Tph細胞など特徴的な T細胞が増加していることが明らかになった。また、B細胞サブセットでは、免疫グロブリンのクラススイッチに重要であるAIDを発現した活性化B細胞がIL10レセプターを特異に発現していることが明らかになった。また、B細胞においては、CD27-IgD- Double negative B細胞も増加していることが明らかになった。現在、これらのサブセットに関して、T細胞受容体並びにB細胞受容体のレパトア解析を行なっているところである。また、Toll like receptor 7を発現したマクロファージに着目し、TLR7のアゴニスト(R848)で刺激することで病態を再現できるマウスが作成可能かどうか検証した。その結果、TLR7/IRK4を介したシグナルでマクロファージからIL1b、TGFbの産生が上昇することがわかった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (3件)
Japanese Dental Science Review
巻: 59 ページ: 1~7
10.1016/j.jdsr.2022.12.002
Arthritis & Rheumatology
巻: 74 ページ: 892~901
10.1002/art.42043
Journal of Allergy and Clinical Immunology
巻: 150 ページ: 440~455.e17
10.1016/j.jaci.2022.03.034
Scientific Reports
巻: 12 ページ: 48-52
10.1038/s41598-022-19397-w