研究課題/領域番号 |
20H00560
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真田 弘美 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50143920)
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研究分担者 |
峰松 健夫 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (00398752)
須釜 淳子 藤田医科大学, 保健衛生学部, 教授 (00203307)
岡本 成史 金沢大学, 保健学系, 教授 (50311759)
下澤 達雄 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (90231365)
玉井 奈緒 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特任准教授 (80636788)
仲上 豪二朗 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (70547827)
大貝 和裕 金沢大学, AIホスピタル・マクロシグナルダイナミクス研究開発センター(保), 准教授 (40706983)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スマートホームケア / リキッドアセスメント技術 / バイオセンサ / バイオマーカー / 高齢者 |
研究実績の概要 |
(1)慢性脱水:健常人を対象に皮膚タウリン検査値の日内変動・日間変動を調査した。その結果、日内変動は変動係数0.053、日間変動は変動係数0.062といずれも極めて安定していることが明らかとなった。 (2)褥瘡感染:すでに明らかにしている5遺伝子(Nppb, Itgb6, Cpne4, Eml5, Itsn1)について、創傷感染モデルラットの新鮮滲出液からmRNAおよびタンパク質の検出・定量を試みた。その結果、Itgb6 mRNAが正常治癒とクリティカルコロナイゼーションを判別する新鮮滲出液マーカー候補として同定された。 (3)尿路感染:プトレシン、インターロイキン6、ヘパリン結合タンパク質をマーカー候補として、泌尿器科に通院する女性患者を対象に初尿と中間尿における併存妥当性を検証したところ、いずれの因子でも初尿中濃度は中間尿中濃度に強く相関しており、中間尿の代わりに初尿を用いた検査が可能である可能性を示した。 (4)誤嚥性肺炎:誤嚥性肺炎を有する患者3名、対照群3名を対象に頬粘膜から採取した唾液に含まれるたんぱく質を網羅的に解析した。その結果、3042種類のたんぱく質が同定され、内326種類は誤嚥性肺炎群のみに、58種類は対照群のみに検出された。 これらの知見を基に、さらなるマーカー因子の絞り込み並びに検出方法の開発に取り組んでいく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)慢性脱水:ラットにおける慢性脱水状態の作製に当初の予定より長い期間を要すること、実験中の脱落が多いことなどから、実験期間が長くなっている。臨床調査は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、開始に至っていないが、フィールドを変更し2022年5月の開始を予定している。 (4)誤嚥性肺炎:新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響で、調査の開始に遅れが生じている。 (2)褥瘡感染、(3)尿路感染については、おおむね計画通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)慢性脱水:新たに開発した簡易化した検体染色・測定システムを用いて、臨床調査を実施する (2)褥瘡感染:ターゲットをmRNAに絞り、LAMP法等を応用して新鮮滲出液のアセスメント技術開発に取り組む (3)尿路感染:プトレシン、インターロイキン6、ヘパリン結合タンパク質を初尿中マーカー候補として、センシング技術を応用したリキッドアセスメント技術の開発に取り組む。 (4)誤嚥性肺炎:免疫関連タンパク質12種類、抗菌ペプチド7種類をマーカー候補として縦断調査に取り組み、発症予測、治癒予測への応用可能性を検討する。
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