研究課題/領域番号 |
20H00562
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
丸山 史人 広島大学, 学術・社会連携室, 教授 (30423122)
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研究分担者 |
西内 由紀子 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (00333526)
港 雄介 藤田医科大学, 医学部, 講師 (10836620)
藤吉 奏 広島大学, 学術・社会連携室, 助教 (20805808)
岩本 朋忠 神戸市環境保健研究所, 感染症部, 部長 (70416402)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 微生物 / 比較ゲノム / 機能ゲノム / 環境 |
研究実績の概要 |
Mycobacterium aviumは現在、日本などの先進国において急増している肺NTM症の主要原因細菌である。とくに、日本では、本菌による感染症の発生率が世界一位であるから迅速な対応が求められている。これまで、本研究課題チームの研究成果および文献調査により、本菌の由来は日本独特の浴室であり、バイオエアロゾル感染ということが推測されている。また、臨床からの疫学調査からヒトーヒト感染はおきていないと考えられている。初年度は、本研究課題の目的である環境中でのM.aviumの生存機構の解明を目指したゲノム情報からの仮説構築を目指して、菌株収集、ゲノムDNA抽出法の検討、ゲノム情報の収集を行った。また、Tn-seq、CRISPRiによる機能ゲノム解析を目指して、菌株のバイオフィルム形成能、薬剤耐性プロファイルの作成、そして、ファージ感染能の確認を行った。菌株については、目的達成に十分な菌株セットが集まった。また、完全ゲノム配列決定のためのゲノム抽出法や配列取得方法、情報解析手法については確立した。また、Tn-seq実験が可能な菌株選定においても25株について、検討を終了し、5株程度でTn-seqを行うための検討が終了した。また、CRISPRiについてもベクターの取り寄せなどは終了し、標的遺伝子配列についても本研究チームで独自に収集したRNA-seqデータ解析を通じて、バイオフィルム形成に重要と考えられる遺伝子候補を10程度にまで絞り込むことができた。また、本菌の環境内動態を探るため、日本における本菌の感染株が定着すると考えられている浴槽での分布、現存量を調べたところ、欧米とは全く異なる現存量であることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ下ではあるがオンライン会議での対応により、共同研究者間での進捗は管理できている。また、研究分担者の一人が代表者と同じ研究室所属になったことから、これまで以上に材料の共有やコミュニケーションが円滑となっており、進捗の加速が期待される。本研究課題に関わる原著論文も順調に当該分野で評価の高い英語原著雑誌に投稿できていることから、現在のところ、順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定どおり、比較ゲノムを加速させ、共存機構の推定を行う。さらに、独自のゲノムデータを用いて、ゲノム関連解析を行い、環境特異的、ヒト患者特異的に優先化している遺伝子や配列情報の抽出を行う。また、機能ゲノム解析については、薬剤、そして、バイオフィルム形成に必須となる条件必須遺伝子の実験的な証明を行う。また、ヒト感染株の由来を上水道などの調査を通じて、同定していく。
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