• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

対人運動技能の制御・学習則の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H00572
研究機関名古屋大学

研究代表者

山本 裕二  名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 教授 (30191456)

研究分担者 木島 章文  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (10389083)
福原 洸  東北大学, 電気通信研究所, 助教 (10827611)
横山 慶子  名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 准教授 (30722102)
小林 亮  広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (60153657)
加納 剛史  東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (80513069)
石黒 章夫  東北大学, 電気通信研究所, 教授 (90232280)
奥村 基生  東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (90400663)
島 弘幸  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40312392)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード対人運動技能 / 社交ダンスロボット / 事前情報
研究実績の概要

長引くコロナ禍で,当初計画していた社交ダンスの熟達者・初心者比較実験は実施を見送らざるを得なかった.そのため,社交ダンスに関しては,数理モデルとそのロボットへの実装を進めることとした.二脚二体ロボットの数理モデルとしては,2輪で自走するロボットに2本の水平面上を動く手をつけ,二体が手をつなぎ,協調して並進と回転運動を自律分散制御として実現できるモデルを考えた.そのため,一つは移動方向を調整する制御であり,もう一つは移動のリズムを調整する制御で,それぞれ位相振動子によって,実現した.このモデルを実機に実装し,二脚二体ロボットが自律的に並進運動と回転運動を行うことを確認し,オンラインで開催された学会で発表を行った.
また,コロナ前に実験を実施していた野球型対人技能の実験結果を再分析し,投手の投球動作が遅い場合には,ボールの球速は同じでもより遅く感じることで動作パターンが大きくなるが,他方,投球動作速度が速い場合には球速を速く感じることで,動作パターンが小さくなることを明らかにし,球速が同じであっても,投手の投球動作という事前情報がその後の運動パターンに影響を及ぼすことを国際誌で発表した.
さらに,ネット型対人技能として,テニスのシングルスゲームを再分析し,熟練者の打球コースの系列には回転型アトラクタと呼ばれる,左右交互に打ち分けるという規則性があることを切替ダイナミクスの観点から明らかにし,国内のオンライン学会で発表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヒトを対象とした研究計画,特に社交ダンスなどの対人距離が近い運動課題に関しては,コロナ禍により2021年度までは実施することができなかった.そのため,当初計画していた社交ダンスの熟達者と初心者のダンス動作の比較実験は取りやめた.その代わり,コロナ前に実験を行っていた野球型対人技能の実験結果と,ネット型対人技能の調査結果の再分析を行った.

今後の研究の推進方策

社交ダンスに関しては,他者との物理的な力の相互作用を組み入れた数理モデルを再構築し,より実際の社交ダンスに近いモデルを考案する.また,他者との駆け引きが観察できる実験課題を考え,「切磋琢磨」の過程を分析する予定である.
さらに,ネット型対人技能として,他者の予測を利用するための規則性の生成を力学系理論から明らかにする予定である.これによって,対人技能における「駆け引き」の実態を明らかにする.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Hitting movement patterns organized by different pitching movement speeds as advanced kinematic information2022

    • 著者名/発表者名
      Takamido Ryota、Yokoyama Keiko、Yamamoto Yuji
    • 雑誌名

      Human Movement Science

      巻: 81 ページ: 102908~102908

    • DOI

      10.1016/j.humov.2021.102908

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effect of Manipulating Advanced Kinematic Information on Hitting Movement Prediction, Perception, and Action2020

    • 著者名/発表者名
      Takamido Ryota、Yokoyama Keiko、Yamamoto Yuji
    • 雑誌名

      Research Quarterly for Exercise and Sport

      巻: 92 ページ: 747~759

    • DOI

      10.1080/02701367.2020.1773375

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ロボットよ,ワルツを踊れ:社交ダンスに学ぶロボット間リズム協調制御メカニズム2021

    • 著者名/発表者名
      福原洸・加納剛史・小林亮・山本裕二・石黒章夫
    • 学会等名
      第33回自律分散システム・シンポジウム
  • [学会発表] Robots Dancing Waltz: Toward understanding inter-person coordination mechanism underlying ballroom dance2021

    • 著者名/発表者名
      Akira Fukuhara, Takeshi Kano, Ryo Kobayashi, Yuji Yamamoto, and Akio Ishiguro
    • 学会等名
      The 9.5th international symposium on Adaptive Motion of Animals and MachinesVirtual
    • 国際学会
  • [学会発表] 対人運動技能としてのテニスの返球角度系列に潜む規則性2021

    • 著者名/発表者名
      山本裕二・横山慶子・奥村基生・木島章文
    • 学会等名
      日本体育・スポーツ健康学会第71回大会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi