研究課題/領域番号 |
20H00578
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
千葉 滋 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (80282713)
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研究分担者 |
塩谷 亮太 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (10619191)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 領域特化言語 / 言語処理系 / メモリ管理 |
研究実績の概要 |
エッジコンピューティング型 IoT システムを開発するためのソフトウェア基盤を構築するための基礎的な要素技術の研究をおこなった。本研究では、そのようなシステムを実装するための専用のプログラミング言語の開発を目指すが、既存のソフトウェア・スタックを最大限に活かすためには、まったくの新言語を開発するのではなく、既存の汎用言語をホストとして、そこに埋め込む形で IoT システム用の専用言語を実現することが望ましい。このため埋込み領域特化言語(embedded DSL)の基礎技術を中心に研究をおこなった。また IoT 機器の制御マイコンに搭載されている不揮発性メモリを利用して、メモリ空間を広げる研究をおこなった。磁気ディスクを用いる仮想記憶に似た仕組みを研究したが、不揮発性メモリは書き込み速度や書き込み回数の制限に独特の特性がある。これらに配慮した仮想記憶の実現方法の研究をおこなった。さらにエッジ側言語と IoT 機器側言語など、異なる言語間にまたがるガベージコレクションの方式についての研究もおこなった。それぞれの言語が独自のガベージコレクタを持っている場合、両者の言語にまたがるオブジェクトの参照関係を考慮して、正しくガベージコレクションをおこなうことは困難だった。本研究では、オブジェクトの参照関係に言語をまたがる循環が生じても、双方のガベージコレクタを改造することなく、正しいガーベージコレクションを実現する方法の研究をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ禍のため研究グループ内でのコミュニケーションがオンライン会議に制限された時期が長かったこと、また学会参加による海外を含む他の研究グループとの意見交換が進まなかったことの影響により、当初の想定の進捗よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画にしたがって、本年度の研究成果をさらに深める方向で研究を進める。
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備考 |
山崎・千葉による「他言語関数呼び出しにおける遠慮のかたまり問題の解決に向けたオブジェクトグラフの解析」は日本ソフトウェア科学会第37回大会学生奨励賞を受賞
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