研究課題/領域番号 |
20H00584
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研究機関 | 青森大学 |
研究代表者 |
下條 真司 青森大学, ソフトウェア情報学部, 教授 (00187478)
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研究分担者 |
義久 智樹 滋賀大学, データサイエンス学系, 教授 (00402743)
土井 健司 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (10217599)
葉 健人 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (30876959)
大平 健司 大阪大学, 情報推進本部, 准教授 (40515326)
佐々木 勇和 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教 (40745147)
松本 哲 大阪大学, 情報推進本部, 助教 (60388238)
木戸 善之 岡山理科大学, 情報理工学部, 教授 (70506310)
河合 由起子 京都産業大学, 情報理工学部, 教授 (90399543)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ビッグデータ / IoT / データ収集 / データ分析 / 社会実装 |
研究実績の概要 |
本研究では、移動方法選択のインセンティブとしてMaaSマイルを提案し、利用者誘引型低遅延MaaS基盤を研究開発している。令和4年度には、研究項目を3項目に大別し、効率的に研究を進めた。 研究項目1「MaaSマイルの計算方法」:本研究項目では、社会課題解決と利用者利益を柔軟に関連付けられるMaaSマイルの計算方法を明らかにする。令和4年度には、グループで利用する場合にはグループのインセンティブを考慮したり、移動方法の状態がダイナミックに変化するといった、より複雑な状況において利用者を誘引できるMaaSマイルの計算方法を議論した。また、運転者の感情や路面状況を組み込んだMaaSマイルの計算方法を明らかにした。 研究項目2「MaaSマイルの計算に必要なデータを低遅延に収集、分析する方法」:本研究項目では、利用時の利用者の嗜好や体調、車両状況を低遅延に把握する方法を明らかにする。令和4年度には、感情や路面状況に関するデータの収集方法を見直し、低遅延化を目指した。データの蓄積には、研究分担者らで構築したデータベースシステムやクラウドサービスを引き続き使用した。データ分析については、これまでに収集した実データを、開発したスマートバイクに搭載した小型計算機やクラウドサービスによるクラウド端末で連合学習等の技術を用いて適切に分析し、低遅延化を目指した。 研究項目3「利用者誘引型低遅延MaaS基盤の社会実装」:本研究項目では、利用者誘引型低遅延MaaS基盤を構築し社会実装を行い、社会に受け入れられやすくかつ利用されやすいMaaS基盤を明らかにする。令和4年度には、開発したスマートバイクやシェアバイクサービスで収集したデータをもとに算出したMaaSマイルを、利用者端末で確認したり、MaaSマイルを管理する枠組みを開発した。感情や路面状況に基づいてMaaSマイルを算出することでMaaS基盤が社会課題の解決につながるか確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
近年注目されているMaaS(Mobility as a Service)は、Society5.0における社会課題の解決に活用できる。しかし、社会課題解決につながる移動方法(移動手段や移動経路等)を即座に把握し、利用者がその移動方法を選択するように行動変容させる(誘引する)技術が確立されておらず、社会課題解決に向けたMaaS基盤を実現できなかった。そこで、本研究では、移動方法選択のインセンティブとしてMaaSマイルを提案し、利用者誘引型低遅延MaaS基盤を研究開発している。 研究項目1に関して、グループ移動やダイナミックに変化するといった、より複雑な状況において利用者を誘引できるMaaSマイルの計算方法を議論した。研究項目2に関して、データ収集方法の見直しや、連合学習等の技術を用いた適切な分析により、低遅延化を目指した。研究項目3に関して、MaaSマイルを、利用者端末で確認したり、MaaSマイルを管理する枠組みを開発し、感情や路面状況に基づいてMaaSマイルを算出することでMaaS基盤が社会課題の解決につながるか確認した。なお、当初の想定に反し、本年度の利用者誘引型低遅延MaaS基盤の実装の結果、MaaSマイルの算出に用いる評価値のばらつきが非常に大きく、マイル算出部の方式決定が困難な事実が判明した。そこで、評価値のばらつきが非常に大きい原因の調査を行ったうえで、利用者誘引型低遅延MaaS基盤の再実装を実施した。これらの理由から、本研究はおおむね順調に進展しているといえる。 研究者らの研究成果は、IEEE GCCE、ACM UISTといった著名な国際論文誌や国際会議に採択された。さらに、本研究成果は、国際論文誌や多数の国際会議および国内学会論文集に採録されている。
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今後の研究の推進方策 |
研究項目1:利用者は、MaaSの利用に応じてMaaSマイルを獲得し、蓄積したMaaSマイルを移動経路や距離、乗降車場所ごとに利用者の状況(緊急性、快適性、経済性など)に応じて利用できる。今後の研究の推進方策として、収集、分析されたデータを用いて低遅延かつ短時間でMaaSマイルを計算する方法を議論する。また、研究項目3との統合に伴って、提案したMaaSマイルの計算方法を利用者誘引型低遅延MaaS基盤に実装し、社会実装により検証する。 研究項目2:データ収集の低遅延化に関し、多様なセンサー・サーバ等の配置の下で送受させることが適切なデータ、タイミング、ネットワークを検証する。今後の研究の推進方策として、研究項目1との統合に伴って、MaaSマイルの計算に必要なデータを短時間で発見する方法、および、データを収集、分析でき次第低遅延にMaaSマイルの計算を開始する方法を明らかにする。また、研究項目3との統合に伴って、提案した低遅延収集、分析方法を利用者誘引型低遅延MaaS基盤に実装し、社会実装により検証する。 研究項目3:今後の研究の推進方策として、令和5年度には、研究項目1および研究項目2との統合に伴って、MaaSマイルを利用者端末で確認したり、MaaSマイルを管理する枠組みを再設計し、実装を進める。構築した利用者誘引型低遅延MaaS基盤で社会実装を進め、MaaS基盤が社会課題の解決につながるか確認する。 次年度には、以上の各研究項目の研究成果の統合を開始する。
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