研究課題/領域番号 |
20H00585
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
櫻井 保志 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30466411)
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研究分担者 |
松原 靖子 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (00721739)
菅沼 克昭 大阪大学, 産業科学研究所, 特任教授 (10154444)
菅原 徹 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (20622038)
千葉 大地 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (10505241)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ビッグデータ解析 / 高速モデル学習 / パワーデバイス / スピントロニクス |
研究実績の概要 |
本研究(研究課題名:ビッグデータからの材料特性の高速モデル学習と最適化)では、材料科学分野における新材料や新デバイス開発のためのAI技術を開発する。材料・デバイスの特性傾向をモデル化、材料科学とAIとを融合したソフトウェアを開発し、材料科学研究推進のためのデータ解析基盤を構築することを目的とする。 2020年度においては、基礎研究としてリアルタイムAI技術の一つであるCubeCastを開発した。本技術は、複数の属性を持つテンソルデータストリームが与えられたとき、最新の観測データを監視しながら潜在的なトレンドを発見し、適応的にモデルを変化させながら長期先のデータを予測し続ける。このとき、各属性で共通する周期パターンを抽出し、それらに基づき類似パターンを有する属性のグループ化を行う。研究成果はデータマイニング分野の最難関トップ国際会議であるKDD2020に採択されるなど、国際的に高い評価を受けている。 上記のリアルタイムAI技術を発展させ、材料開発データに適用可能なモデル学習技術について検討した。菅沼研究グループとは実データを共有し、材料・デバイス分野におけるAI技術の開発を行っている。具体的には、パワーモジュール寿命予測に取り組んでおり、稼働中のパワーモジュールからAEデータを収集し、AEデータの時系列解析を行った。故障に至る過程で様々な時系列パターンの変化が見られ、故障時においても故障の種類によって異なる傾向を持つことが明らかになった。千葉研究グループともスピントロニクス分野へのAI導入について検討をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ビッグデータ解析のためのリアルタイムAI技術の研究開発に取り組み、研究成果はデータマイニング分野の最難関トップ国際会議であるKDD2020に採択されるなど、国際的にインパクトの高い研究成果となった。また、パワーデバイスのためのAI開発にも取り組み、パワーモジュール寿命予測技術を確立するための有用な知見が数多く得られた。
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今後の研究の推進方策 |
菅沼研究グループと実施しているパワーデバイスのためのAI技術の開発に関しては、今年度は、データをさらに増強し、2020年度に得られた知見をもとに故障の予兆パターンをモデル化し、寿命予測の技術を開発する。千葉研究グループともスピントロニクス分野へのAI導入について検討をすすめており、リアルタイムAI技術をスピントロニクスデバイスから得られるデータへ適用し、AI技術の有効性を検証する。いずれも取り組みも、材料科学とAIとを融合したソフトウェアを開発するため、グループ間で密に連携をとりながら取り組む。
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