これまでに蓄積された視覚心理物理学の膨大な科学的知見を、人間の情報処理をシミュレーションするモデルにまとめることで、視覚科学に精通していないエンジニアにも人間の特性を活かした技術開発が容易になると考え、主要な視覚機能である運動視に関して処理系全体の計算をシミュレートできるモデルを構築し、任意の映像入力に対する運動視系の中間情報表現および最終出力が直接予測できるようにすることを目的とした研究である。 膨大な視覚心理物理学の研究の蓄積がある一方、それを誰にでも使える形で提供されているシステムは存在せず、それを構築するという本研究の目標は学術的意義がある。運動視の情報処理過程の、入出力関係が合う(End-to-End)ような計算論的モデルの開発を試みることは、画像処理のみならず工学分野への応用が期待できる。
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