研究課題/領域番号 |
20H00622
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木實 新一 九州大学, 基幹教育院, 教授 (70234804)
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研究分担者 |
瀬崎 薫 東京大学, 空間情報科学研究センター, 教授 (10216541)
畑埜 晃平 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (60404026)
西山 勇毅 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (80816687)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 学習アナリティクス / 分散協調 / 開発途上コミュニティ / クラウドソーシング / 教育支援システム |
研究実績の概要 |
本研究では、申請者らのグループが開発した学習アナリティクス、クラウドソーシング、DTN(Delay Tolerant Networking)の技術を拡張・統合し、様々な学習空間において効率良く学習データを収集・転送し、有用フィードバックを提供できる分散協調型の学習アナリティクスプラットフォームの研究開発を行う。アフリカの教育機関と連携してユーザ中心の手法でデザイン・開発を行い、開発途上地域におけるエビデンスに基づ く教育改善に貢献することを目指す。 2020年度は、ユーザ中心の手法に基づいて要求仕様を整理するために、東アフリカ3カ国(タンザニア、ケニア、ウガンダ)の関係者と遠隔会議システムを用いて打ち合わせを行い、タンザニアの状況について現地研究者の協力を得て情報収集を行なった。また、アクティブラーニングに基づきデータを効率よく取得することのできるクラウドソーシング手法の検討を行なった。さらに、DTN(Delay Tolerant Networking)によるデータ転送の実現可能性を検討するために、ナイロビ(ケニア)の人流データを研究代表者らが提案するモビリティデータのネットワーク分析手法に基づいて可視化・分析を行ない、分散協調型のデータ収集ネットワークのアーキテクチャに関する検討を行なった。学習履歴データに基づく学習活動の分析と、学習者向け推薦システムのユーザインタフェースの開発と評価も行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、要求仕様を整理するために、東アフリカ3カ国の関係者と遠隔会議システムを用いて打ち合わせを行なった。また、タンザニアの状況について現地研究者の協力を得て情報収集を行なった。新型コロナウィルスの影響により、当初予定していた現地調査を実現することができなかったが、必要最小限の情報収集は行うことができたと考えている。また、クラウドソーシング手法の検討と、ナイロビの人流データの可視化・分析を順調に進めることができた。分散協調型のデータ収集ネットワークのアーキテクチャに関しては、基礎的な部分の検討を進めることができた。学習履歴データの分析と、学習者向け推薦システムのユーザインタフェースに関しては、当初想定していたよりも多くの研究成果を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画に基づき、更に詳細な要求分析を行う。また、新型コロナウィルスの状況に応じて、現地調査の実施について検討を行う。クラウドソーシング手法に関しては、行動認識技術を用いて効率的にデータを収集するために、モデルとシステムの開発を進める。DTNによるデータ転送に関しては、低コストで屋内外の測位を行う必要があるため、そのための技術開発を進める。その上で、緩やかに集まる学習ログデータからドロップアウトや成績、教材の分かりやすさ等を予測する手法を検討する。学習アナリティクスについては、途上コミュニティの要求仕様を考慮しつつ、更に研究を進める。
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