研究実績の概要 |
廃棄物埋立処分場浸出水をアセチル誘導化しScan modeでGC-MS分析することから対象成分をピックアップした。BPA、ビスフェノール代替化合物(BPF, BPS, BPZ,BPAP, BPE, BPAF, BPB), ノニルフェノール、オクチルフェノール、トリクロサン、チモール、oxybenzone (BP-3),UVPの一斉分析法を開発した。廃棄物埋立処分場浸出水とその負荷を受ける河川水ではBPAが卓越する組成であり、都市の下水処理水ではBPF, BPAF, BPSなどの代替品が卓越する組成となった。 日焼け止め成分については本科研費で導入したLC-MS/MSでの分析法を開発し、oxybenzone (BP-3), avobenzone, octinoxate, octocrylene, sulisobenzone (BP-4)の都市水域での分布を明らかにした。特にsulisobenzoneについては国内で初めての検出で、最大389 ng/Lとこれまで検出されている日焼け止め成分よりも高濃度で検出された。 エストロゲン療法に用いられる医薬品成分の国内生産量を調べ、高生産量成分のうち比較的高いエストロゲン様活性が報告されている成分を、分析対象として選出した。その結果、エチニルエストラジオール 、エストラムスチン、メストラノール、ノルエチステロン、ダナゾールが選出された。これらの成分のLC-MS/MSでの分析感度が低いため、高感度化のため誘導体化を検討し、数倍から数千倍の高感度化を達成した。 CHO-K1細胞株にエストロゲン受容体(ER)発現プラスミド及びルシフェラーゼレポータープラスミドを導入し、ERa/bレポーターアッセイ系を構築した。本法を用いてフェノール性水酸基を有するベンゾトリアゾール系UV吸収剤13物質のERa/bアゴニスト・アンタゴニスト活性を明らかにした。
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