抗生物質の乱用が原因で、河川や海中に薬剤耐性菌由来の薬剤耐性遺伝子による水環境汚染が問題になっている。このような水環境に残存する薬剤耐性菌や遺伝子が再び人間環境へ侵入するプロセスを、培養可能な微生物のみならず、培養技術が確立されていない微生物も含めて網羅的に解析することで解明することを目的とした研究である。 水環境中に残存する薬剤耐性遺伝子を持つ細菌の拡散機構および人間環境への未知の侵入経路の解明を目的とした本研究は、従来研究にない独自の視点で計画されたものであり、環境科学や衛生学的に喫緊で、重要な価値が認められる。フィリピンに開設した愛媛大のサテライトラボを活用し、研究成果の積み重ねの延長上に研究計画が立てられており、研究遂行能力も十分で大きな成果が期待できる。
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