研究課題/領域番号 |
20H00636
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
奥田 知明 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30348809)
|
研究分担者 |
梶野 瑞王 気象庁気象研究所, 全球大気海洋研究部, 主任研究官 (00447939)
深潟 康二 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (80361517)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | エアロゾル / 帯電粒子 / 沈着 / 呼吸器 / 地表面 |
研究実績の概要 |
フィールド観測として、都市部の横浜および農村部の能登において、粒子の帯電分布の長期連続観測を実施した。その結果、全粒子数に対する非帯電粒子数の割合が冬に増加する一方で夏に減少すること、および平均荷電数は冬に0に近づき、夏になると負にずれることを見出した。また、帯電分布(粒子の荷電数)の幅を表す荷電数の標準偏差は、冬に小さくなる一方で夏に大きくなった。これらの現象は、粒子とイオンの衝突頻度の違いや、粒径や化学組成の粒子の微物理量の違いを反映しているものと考えられた。室内実験では、空気中のイオン数および水蒸気量と帯電粒子の関係の解析を進めた。実験系内の水蒸気量が増えるほど負イオン濃度も増加し、それに伴い粒子の帯電が促進された。また個別粒子の帯電状態分析では、KPFM を適用して前年度に得られた塩化セシウム粒子に関する実験結果を基に、コンデンサーモデルを用いて粒子の荷電数と表面電位の関係を理論的に推算した。さらに人工的に発生させた放射性粒子のKPFM 測定では、放射性粒子が非放射性粒子よりも負に帯電していることを見出した。これらの成果は4報の英文学術誌に掲載された。(奥田) 小規模系の粒子沈着現象の実測とシミュレーションとしては、DEM-CFDを用いて粒子帯電を考慮した肺内部の粒子運動挙動を解析した。上気道より肺内部を3領域に区切って解析したところ、粒子の帯電量が増加すると気道上部側の領域において沈着量が増加する結果となった。(奥田・深潟) 大気広域モデル構築としては、領域気象化学モデルNHM-Chemに雷による降水粒子の帯電効果を実装し、富士山頂におけるLightning NOyの再現実験を行い論文として発表した。また降水粒子とエアロゾルの帯電効果を考慮したbelow-cloud scavenging過程のモデル計算を実施し、東アジア領域でその精度を検証した(論文準備中)(梶野)。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|