研究課題
基盤研究(A)
サンゴ礁生態系衰退時に生じるサンゴ優占から藻類優占へのフェーズシフトにおいて、サンゴがストレスを受けることでサンゴ体外分解系による藻類や病原菌の除去能が減少し、サンゴの加入・着床が阻害されフェーズシフトが加速されるという仮説を検証する。野外でサンゴとその周辺海水の消化酵素の活性調査、酵素遺伝子の発現量把握を行い、室内実験系でストレスの影響を消化酵素の活性発現量で把握し、さらにコア酵素群を明らかにする。サンゴ体外における消化酵素の活性発現量というミクロレベルの視点から、サンゴ礁生態系のフェーズシフトのメカニズムの解明に取り組むという独自性の高い研究である。本研究により、サンゴ礁生態系におけるサンゴの新規的役割が明らかになり、フェーズシフトを検知するためのマーカー開発や環境改善の考案にも広がり、サンゴ礁の保全へと繋がる成果が得られることが期待できる。