研究課題
沖縄島北部での野外調査を実施し、サンゴの被度が異なる場所のサンゴ・藻類等の分布調査と環境サンプルの確保を行った。野外調査で取得された環境サンプルを用いて、細菌叢を対象としたメタバーコーディング解析を行い、PICRUSt2を用いて酵素組成データを取得した。サンゴ被度の違いで酵素頻度の違いを比較した結果、酵素存在量はセルラーゼで地点間で差異が見られたが、他の酵素に関しては明瞭な変異は見られなかった。飼育実験に関しては、ミドリイシ属サンゴを用いたストレス暴露実験を行い、遺伝子解析用のサンプル確保を行った。飼育実験で取得されたサンゴサンプルを用いたRNA-seq解析を行い、主要な酵素発現データを取得した。過年度に取得されたデータも合わせて解析した結果、セルラーゼは高水温ストレス耐性のあるサンゴサンプルで上昇傾向であったが、キチナーゼは遺伝子によって増減パターンが異なっていた。酸性化海水暴露実験では、セルラーゼの発現に変化は見られなかったが、キチナーゼは遺伝子によってストレス処理区で増減パターンが異なっていた。コユビミドリイシから粘液を採取し、生化学実験を行った結果、微弱ながらキチナーゼ活性を確認し、酵素精製を実施した。飼育実験に用いたサンゴ片はSNPs解析を実施し、クローンの関係ではないことを確認した。過年度までに取得されたデータの論文化と学会発表を進めた。日本サンゴ礁学会第26回大会にては、環境サンプルを用いたメタゲノム解析やネットワーク解析等のバイオインフォマティクスの内容も交えた集会を企画・実施し、本研究課題で得られた知見と適用された解析手法の紹介を行った。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
巻: 14 ページ: 3369
10.1038/s41598-024-53294-8
Marine Environmental Research
巻: 188 ページ: 106030~106030
10.1016/j.marenvres.2023.106030