健康長寿命社会の実現のためには、疾患の早期診断・早期治療が重要であり、本研究はこれに繋げる新たな生体内分子イメージング機器の開発を目指している。具体的には、安定同位体(SI)標識で、放射線同位体標識に匹敵するような高感度検出を可能とする新たな分子イメージング機器を開発し、社会的に需要の高い3つの疾患(心筋梗塞、認知症、炎症性腸疾患)への臨床応用ならびに診断法の創出を目指した研究である。 本研究は、研究代表者が独自に開発した水素ガスを偏極源に用いる基盤技術を活用し、常温、低磁場で使用可能な分子イメージング機器の開発を目指しており、独創性が高い。また、この機器の開発によって様々な疾患の早期診断・治療が可能になり、既存機器と比べて開発・導入費用の大幅な低減につながる。臨床応用のみならず、医療経済的にも波及効果は大きく、学術的意義も大きい研究といえる。
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