アデノウイルス(Ad)は癌細胞だけで選択的に複製し癌細胞を死滅させる腫瘍溶解性Ad(ウイルス療法)、あるいは感染症に対するワクチンベクターとして臨床試験で広く用いられ、さらなる改良により有効性の向上が期待されている。本研究では、抗ヒト5型Ad抗体による影響を受けないヒト35型Adをベースとした腫瘍溶解性ウイルスやヘキソン改変Ad(非増殖型Adベクターおよび腫瘍溶解性Ad)、さらにはゲノム編集用Adベクター系を確立し、Adを用いた遺伝子治療(ウイルス療法やワクチンを含む)や基礎研究への進展に資する基盤技術開発を行い、良好な結果を得た。
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