【目的】本研究は,教師が高校生の学生生活に関連するストレスの要因に配慮したサポートの提供における知見を得ることをねらいとして,高校生の精神的健康に対する教師サポートと学生生活関連ストレス認知の関連を明らかとすることを目的とした. 【方法】仮説モデルは,教師へのサポート期待(情緒的および道具的サポート)が学生生活関連ストレス認知(親・友人・教師・学業)を介して精神的健康に影響を与えるとした関連モデルを設定した.統計解析には,高校生344人分のデータを使用し,構造方程式モデリングにより関連モデルのデータに対する適合性と変数間の関連性を検討した. 【結果】教師への情緒的サポート期待が学生生活関連ストレス認知を介して精神的健康に影響を与えるとした関連モデルのデータへの適合度は,統計学的許容水準を満たしていた.変数間の関連性は,情緒的サポート期待と学生生活関連ストレス認知における友人,学業,教師に起因するストレス認知とは有意な負の関連性を示していた.また,学生生活関連ストレス認知と精神的健康とは有意な正の関連性を示していた.なお,本分析モデルにおける精神的健康に対する寄与率は35.9%であった.教師への道具的サポート期待が学生生活関連ストレス認知を介して精神的健康に影響を与えるとした関連モデルのデータへの適合度は,統計学的許容水準を満たしていた.変数間の関連性は,道具的サポート期待と学生生活関連ストレス認知における友人,教師,親に起因するストレス認知とは有意な負の関連性を示していた.また,学生生活関連ストレス認知と精神的健康とは有意な正の関連性を示していた.なお,本分析モデルにおける精神的健康に対する寄与率は35.5%であった. 【結論】本研究結果は,教師が高校生の学生生活に関連するストレスの要因に配慮してサポート種を選択する必要性を示唆している.
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