統合失調症患者の社会復帰を妨げる要因として、対人関係、日常生活機能、就労などの社会的機能障害の他に、自己評価の低さに起因した生活に対する自信の欠如が強く影響している(池淵, 2012)と考えられている。この統合失調症患者の地域生活に対する自信不足は、“ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度うまく行うことができるかという個人の確信”である自己効力感の低下に繋がる。しかし本研究により、MCT-J の実施が自己効力感を改善する可能性があり、地域生活の定着や社会復帰を促進する一助になるのではないかと考えられる。
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