動物プランクトンを対象とした樹脂封入標本の製作は脆弱な生物が多いことが主な理由で、まだ一般化しているとは言い難いが、今回の改良によりハードルを下げることができ、教育現場で扱いやすい標本の提供に近づいた。現物である標本の価値に加え、観測現場で得られた映像を併用することで、教育的価値を高めることが検証できた。件数は少ないが、今回中学校理科教員の評価を得たこと、学校の観察器具の整備状況を調べたことで、今後教材化する課題も具体的に見えた。海洋教育がいまだ多くの学校で取り組めない理由の一つが使いやすい海洋生物教材の不足なので、今回の教材開発研究は社会的意義があると言える。
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