1.研究の概要:神戸市立原田中学校の校地を活用してサツマイモの水耕栽培による栽培試験を行い、同時に「土耕栽培による栽培試験」との比較・検証を行った。開発した教材は、通常学級に在籍する生徒と、特別支援学級に在籍する生徒を対象にした実証試験、および学習を通した生徒の意識がどのように変容したのかを調査して、教材の有効性を検証した。 2.栽培試験の材料(サツマイモ品種):関西地域はなじみの深い「なると金時(高系14号)」、蔓に接触屈性がある「ベニオトメ」、塊根(イモ)に「アントシアニン色素」を含む「パープルスイートロード」の3品種について行った。また、今後の研究課題として、技術科での栽培実習にも活用されている「ミニトマト」(品種「アイコ」)について、水耕栽培による教材化をすすめる。 3.研究方法:筆者が開発した水耕栽培装置(1)は、屋上緑化や壁面緑化を想定した教材として、都市緑化を想定した教材として学校教育で活用できるように改良した。また、生物教材としての活用:地上部(茎・葉)を活用した実験・観察では、ヒートアイランド現象の低減効果、塊根部(イモ)の収穫は、食糧・燃料・工業原料として、資源循環型社会や持続可能な社会の構築を学ぶ教材として、SDGsにつながる学習に応用できる。 4.教育効果:学校教育においては「持続可能な社会の構築」を担う次世代の人材育成が急務とされている。教科の学習や教科横断的に学習する総合的な学習の時間を活用した「ESD(持続可能な教育のための開発)」の重要性、昨今の地球環境問題において、学習者が何を学び、どのような知識を身に付け、行動ができるのかを問うために、学習者の学びを支援し、指導者にとっても容易に扱うことができる「植物教材」として期待できる。 資源循環型社会を構築して、未来の地球環境を学ぶために、緑色植物の有機物生産者としての役割を学ぶことは重要である。
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