研究課題
奨励研究
近年、古典を学ぶ意義を見出しにくいといった指摘がある。その課題に応えるためには、古典を学ぶ意義について理解を深め、口語訳を完成させて終わるのではなく、テクストの読みを深め、それを他者に説明できる力(古典教育における読解リテラシー)を育成することが重要であるという仮説を立てた。それに基づき、大学教員とも協力しながら、教育心理学を援用した授業や、くずし字や和本による古典教材の開発・実践を行った。中学・高校の両方で取り組むことで、これまでにも取り組んできた成果をさらに蓄積、統合することができた。
国語科教育および日本文学
教育心理学を援用した「協同的探究学習」の実践を続けた。本研究の研究協力者である藤村宣之氏(東京大学教授)の提唱する「わかる学力」の向上を目指す上で、有益な蓄積が得られた。また、同じく研究協力者である加藤弓枝氏(鶴見大学教授)、三宅宏幸氏(愛知県立大学准教授)とともに、くずし字による古典教育にも取り組んだ。これらについては、他校でも実践が行われている。本研究の成果が、我が国全体の教育にも生かされているといえ、その学術的・社会的意義は大きい。