高専スペースアカデミアの活動で得られたノウハウを活用して、実験の改善要望を解決するためのフィードバック型PBL実験(以下:FPBL)の研究を行う。本研究ではFPBLの導入前検証とその準備を行った。 学生と共にスペースアカデミアに参加してRaspberryPi(以下:RasPi)の各種設定やセンサ制御・通信処理の手順を学習しながら、それらを実験にフィードバックするために課題を設定して、実験内容の完成度を高めていくことを目指した。 検証では、まずRasPiへのOSインストール、各種センサモジュール及び通信ソフトの設定等を行いつつ、それら操作手順のドキュメント化を行った。次に、超音波距離センサと加速度センサを用いる実験課題を設定するため、センサ単体での動作確認を行った。そして、各センサの具体的な課題として、超音波距離センサは水位監視、加速度センサは姿勢検知を実例として検証作業を行った。水位監視では用水路の増水を検知後、センサと水面までの距離と写真をメッセージアプリLINEを用いて、管理者に送信できることを確認した。さらにLINEを介して管理者からの任意のタイミングで距離や撮影ができることも確認した。姿勢検知では、ヘルメットに取り付けた加速度センサの加速度とジャイロを一定間隔で読込んで解析処理を行い、ヘルメット装着の被験者が床に横たわる姿勢検知を確認した。また、検知後にLINEを通じて管理者に異常通知を送信できることも確認した。 現在、これらの検証作業をもとに実験室内での環境整備を整えている状況である。既に、缶サットを模したオブジェにRasPiとセンサを組込みLINEによるデータ取得は確認している。教育効果の検証やプログラム作成時の補助資料は検討している段階である。2021年1月の「第26回高専シンポジウム」において、これまでの研究成果を報告した。
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