<背景> 前年度から本校ではカリキュラム・働き方改革等の影響により、学年によっては実験実習時間数が1コマ以上削減された。現状は最適化が求められ、実施内容や教育レベル等は変更せず、かつ、より高度・効率的な教育支援が求められている。しかし、近年より本校に限らず、全国的に教職員数の削減の動きが見られ、マンパワー・支援体制不足の問題を抱えており、今後更に顕著になると推測される。そのため、各コースの学年の実験実習等で、指導者が各実験グループに常時ついてサポートする体制は不可能であり、学生が支援必要時にタイムリーに対応できず作業等が滞り、非効率的な状況が生じている。 <目的・成果> 以上の背景から、今後の教育現場においては、指導側が支援方法の工夫・効率化等を図り、教育の質を確保する取組みは急務であると考えている。そこで問題解決のため、現在様々な分野で応用されているIT・AI技術を活用した教育ソリューションの開発を目的とした。成果として、実験実習用でGoogle製のキットを活用したAIスピーカーの製作と授業時間外や学外でもLINEを活用し、任意の問合せにリアルタイムで、自動応答や情報配信可能なLINEBOT(以下BOT)による支援システムを開発して、双方を本校電気電子コース3年の後期弱電実験より導入した。AIスピーカーに実験手順等の音声・画像支援や学生から多々ある質問等に自動応答可能な機能を実装し、指導側が非対応時に支援可能な環境を実現した。また、BOTはGoogleの無料クラウドサービスと連携させ、サーバ・学習用データベースレスの環境で実現させた。そして、製作した実験実習関連及び資格取得支援用のWebサイトとBOTを連携させ、学生への情報配信も容易にした。導入後のアンケート結果では、大半の学生から問題解決に繋がる前向きな回答が得られ、実験効率やIT・AI技術への興味・関心の向上にも繋がった。
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