研究課題
奨励研究
本研究では、複数の純系で構成された「遺伝的に多様な純系集団」を整備するために、新たな純系候補を選抜するパイプラインの構築をおこなった。構築したパイプラインは、二段階選抜で純系候補を選ぶ: 第一に、SNP情報で系統解析をおこない、純系を含まない系統群を一次選抜する。第二に、表現型情報で二次選抜する。コムギ近縁野生種Aegilops bicornis に対して、このパイプラインを適用し、新たな純系候補を選抜した。そして、選ばれた系統を純系化するために播種・栽培した。
植物遺伝資源学
ゲノム情報は、ジーンバンクの系統保存や系統集団の作成のために、広く活用されており、また、今後も益々が活用されるであろう。本研究の「純系候補選抜パイプライン」の構築とその利用は、ジーンバンクにおけるゲノム情報活用の一例である。純系候補選抜パイプラインの使用は、ゲノムワイドSNP情報と表現型情報を定量的に扱うことで、より効率的に遺伝的に多様な純系集団を作成できる。このパイプラインは、コムギ遺伝資源系統だけでなく、様々な生物種にも適用可能であろう。