本研究では、腎移植患者の拒絶反応抑制薬であるタクロリムスの血中および腎組織中濃度の関係性、CYP3A5遺伝子多型がタクロリムス濃度に与える影響について検討を行った。 その結果、血中および腎組織中タクロリムス濃度間には正の相関関係が認められ、移植腎組織中濃度は血中濃度の影響を受けていることが明らかとなった。 一方で、移植腎に発現するCYP3A5遺伝子型の違いによる血中および腎組織中タクロリムス濃度への影響は認められなかった。また、移植腎に発現するCYP3A5遺伝子型の違いによる腎移植後の拒絶反応の発生率にも差は認められなかった。
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