研究課題
奨励研究
本研究では術後せん妄における幻覚妄想状態の評価モデル作成を目的として、リポポリサッカライド(LPS)誘発全身炎症およびせん妄リスク薬であるジアゼパムがマウスのプレパルスインヒビション(PPI)に与える影響を評価した。その結果、低用量のLPSおよびジアゼパムはPPIを傷害し、一方で各薬物 の単独投与時に認められたPPIの障害作用は、併用投与時に消失することが明らかになった。
医療系薬学
本研究により、実験モデルにおいてせん妄リスク病態である炎症状態やベンゾジアゼピン受容体作動薬の使用が感覚統合障害をもたらす可能性を明らかにすることができた。また、、特に比較的低用量で感覚統合障害を来すことから、せん妄発症のハイリスク期に関する知見が得られた。せん妄様病態の実験モデルを用いた研究の発展により、せん妄の病態解明や予防策の開発に応用可能である。