LENは、実臨床において優れた抗腫瘍効果を示す一方で、副作用発現により早期に投与を中止せざるを得ない症例が散見される。副作用が発現しやすいのは、薬物動態学的特徴から、LENの個体間変動が大きいことが原因である。この解決策として、薬剤を投与される患者群のモデルパラメータを構築し、個体間変動を定量化するPPK解析がある。先に承認を得た甲状腺癌に対するPPK解析の報告はあるが、肝細胞癌患者を対象とした解析は行われていない。本研究で得られた成果をもとに、肝細胞癌患者を対象としたLENのPPKモデルを構築することで、臨床現場において現行よりも高度なオーダーメイド治療を提供することが可能となる。
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