当院で2019年3月~2020年12月までの期間に血液培養より検出されたメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)6例メチシリン感性黄色ブドウ球菌(MSSA)2例コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)2例の臨床分離株を用いて検討を行った。臨床分離株を模擬検体を作成、血液培養ボトルに注入、自動血液培養装置に装填し培養を行った。陽性化した血液培養ボトルの菌液を羊血液寒天培地、変法卵黄加マンニット食塩寒天培地、クロモアガーMRSAスクリーン培地に40μL接種し、羊血液寒天培地にはOxacillin、Cefoxitin含有ディスクを置き、37℃CO2ふ卵器にて24時間培養を行った。羊血液寒天状の薬剤感受性は阻止円を測定し、米国CLSI判定基準に則って判定した。卵黄反応の有無、クロモアガーMRSAスクリーン培地の生育、発色の有無を判定した。【結果】血液培養ボトルはすべて陽性化した。①羊血液寒天のCFXの阻止円はMRSAの感性0%耐性100.0%、MSSAの感性100.0%耐性0%、CNSの感性0%耐性100.0%であった。MIPICの阻止円はMRSAの感性66.7%耐性33.3%、MSSAの感性50.0%耐性50.0%、CNSの感性100.0%耐性0%であった。②変法卵黄加マンニット食塩寒天培地卵黄反応はMRSA100.0%、MSSA100.0%、CNS0%で観察された。③クロモアガーMRSAスクリーン培地の生育はMRSA100.0%、MSSA0.0%、CNS100.0%で観察され、そのうち藤色を呈したのはMRSA100.0%、CNS0%であった。【考察】血液培養から検出された黄色ブドウ球菌はCFX含有ディスク法、変法卵黄加マンニット食塩寒天培地の卵黄反応の有無、クロモアガーMRSAスクリーン培地の生育、発色の有無でMRSAの検出が可能であると考えられた。
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