薬剤師の一般的な薬剤業務に対する手指消毒の定義は定まっておらず,各個人での意識や遵守率も必ずしも高くない。本研究により,基準の定義を設けることによる順守率の増加や,薬剤師の業務環境の常在菌・手指常在菌に対するこれまで明確に規定されていなかった手洗い・手指消毒の有効性及び妥当性が得られた。実際に経口で直接服用する薬剤の取り扱いに対しては手袋などの防護具の着用の必要性も示唆され,特に対象患者の免疫力が低下している際は重要であると考えらえる。本研究では調査対象者数,再現性に課題があり,より精度の高い調査が必要だが,これらの結果は今後の薬剤師業務における感染制御に貢献することができると思われる。
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