本研究では抗がん剤誘発中枢神経障害モデル動物に対する釣藤鈎含有漢方薬の影響について評価を行った。ドキソルビシンとシクロホスファミド(AC)をラットに週1回2週間投与、同時に釣藤鈎含有漢方薬を1日1回14日間経口投与行った。最終投与の翌日に不安様行動を評価する明暗探索試験を行った。不安作用が惹起されたラットは明室進入時間が減少することが知られている。AC投与によりラットの明室進入時間は減少したが、抑肝散を同時に投与することで明室進入時間の減少を抑制することが明らかとなった。抑肝散はAC投与後のラットの精神機能障害を抑制し、抗がん剤による精神機能障害に対する有効な予防薬になり得ることが示唆された。
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