薬剤性肝機能障害は、急性肝機能障害の原因の50%を占める。一旦肝機能障害が起こると、必要な薬物療法も中止・中断を余儀なくされるため、臨床で高頻度に遭遇する重要な副作用の一つである。肺動脈性肺高血圧症治療は、近年飛躍的に進歩しており、早期に適切な薬物療法を行うと高率で長期生存が期待できる。一方で、肝機能障害などで有効な治療が遅れると、その後の生命予後にも影響することが分かっています。本研究では、肺動脈性肺高血圧症治療薬の一つであるボセンタンは、高率で肝機能障害を起こしますが、その原因となる遺伝子や肝機能障害発生メカニズムを調べる事で、将来の創薬や臨床で副作用を回避する方法を検討しています。
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