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2020 年度 実績報告書

マクロファージの過剰炎症反応による炎症癌への治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 20H01094
研究機関秋田大学

研究代表者

高金 くらら  秋田大学, 医学系研究科, 技術職員

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 
キーワードSKAP2 / 炎症 / TLR4
研究実績の概要

SKAP2はsrc キナーゼによってリン酸化を受けるアダプタータンパク質で、マクロファージや骨髄細胞において発現している。このSKAP2 ノックアウトマウスにLPS投与やAOM/DSS投与によってSKAP2 KOにおいて強い炎症と腫瘍形成が見られたことから、SKAP2は炎症を負に制御していることが示唆された。臨床において炎症性癌は予後が悪い為、SKAP2が炎症を制御する機構を明らかにすることは重要で、新たな治療標的となる基盤データ作りを目的とした。SKAP2 KOマウスに増加する炎症性サイトカインについて、RealTime-PCRやサイトカインアレイ、ウェスタンブロットで確認した。さらに、SKAP2と結合する分子を免疫沈降法で調べた。炎症に関わる分子をクローニングしてタグを付加した発現ベクターに遺伝子導入し、SKAP2との結合を検証した。結合が見られた分子ついては、内在性の分子の結合を免疫沈降法で検証した。また相互作用をさらに確認するために、細胞の染色において共局在するか確認した。SKAP2 KOマウスのLPS投与群において野生型マウスに比較してIL1βやIL6、NFkBなどの炎症性サイトカインの増加が見られた。その分子メカニズムとして、免疫沈降の結果からSKAP2はMyD88を介してTLRと結合しており、同時にSKAP2は炎症経路を抑制するチロシンフォスファターゼSHP-1,2と結合することが分かった。その結果、SKAP2を介してSirpa/SHP-1,2とTLR4の相互作用が促進され、SKAP2 KOマクロファージでは、その減弱を認めた。さらに、これらのことは細胞の蛍光染色によってもSKAP2とTLR4、SHP2の共局在が確認できた。以上のことから、SKAP2の負の炎症制御は、SHP1,2を介してTLR4シグナル経路を負に制御する事に依存していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Expression of asporin reprograms cancer cells to acquire resistance to oxidative stress2021

    • 著者名/発表者名
      Yuto Sasaki , Kurara Takagane , Takumi Konno , Go Itoh , Sei Kuriyama , Kazuyoshi Yanagihara , Masakazu Yashiro , Satoru Yamada , Shinya Murakami , Masamitsu Tanaka
    • 雑誌名

      Cancer Science

      巻: 112 ページ: 1251-1261

    • DOI

      10.1111/cas.14794.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Asporinによる癌細胞の酸化ストレス抵抗性獲得と免疫抑制作用2021

    • 著者名/発表者名
      田中正光、高金くらら
    • 学会等名
      第110回日本病理学会総会
  • [学会発表] SKAP2はチロシンホスファターゼSHP-1,2を介してTLR炎症経路を抑制する2021

    • 著者名/発表者名
      高金くらら、馬越通信、後藤明輝、田中正光
    • 学会等名
      第80回日本癌学会学術総会
  • [学会発表] がんサポート線維芽細胞CEFの産生機構2020

    • 著者名/発表者名
      田中正光、高金くらら 他
    • 学会等名
      第109回日本病理学会総会
  • [学会発表] CAFにより教育された線維芽細胞の特性変化2020

    • 著者名/発表者名
      田中正光、伊藤剛、高金くらら、栗山正、八代正和
    • 学会等名
      第79回日本癌学会学術総会
  • [備考] 秋田大学分子生化学講座ホームページ

    • URL

      http://www.med.akita-u.ac.jp/~seika2/Akita_Univ._Dept._Molecular_Biochemistry/youkoso.html

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公開日: 2022-12-28  

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