研究実績の概要 |
【目的】ACLR後患者に対して単関節HALを用いた膝関節訓練を実施し, その安全性と実行可能性を証明するとともに, その有効性を検証すること 【結果】本研究対象症例は合計11名で, 全ての症例で中途脱落, 有害事象例はなかった。膝筋力が改善傾向(角速度60度の伸展屈曲で統計学的有意差あり)を示し, ROM, Tegner Activity Scale, Lysholm Knee Questionnaireが統計学的有意差を伴う改善が認められた。その他膝関節機能評価で異常な結果は認めなかった。また筋電図学的評価からは同時収縮指数であるCCIと外側広筋と半腱様筋の差を表すVL-ST Differenceがそれぞれ一部改善傾向を示した。 【考察】実行可能性と安全性:全例で中途脱落, 有害事象なく単関節HAL訓練を遂行したことで本介入プロトコル内での実行可能性と安全性が示唆された。 有効性:HALは筋肉から検出される生体力学信号を適正化し, 異常筋活動を平滑化する能力があると考えられ, 固有感覚に働きかけ大腿筋萎縮の発生予防や進行抑制し, 望ましい運動学習が筋インバランスを修正, さらにアシスト運動により適切な筋活動と関節運動を実現した可能性が考えられる。 【結語】HALを用いたACLR後の膝関節機能訓練は, 有害事象なく安全に訓練を遂行することができ, 膝関節筋機能などの改善が得られる可能性が示唆された。
|