フッ素の結合位置に異性体が存在するフルオロフェニル基(F-Ph基)を有するカチノン類薬物は、ガスクロマトグラフ赤外分光度計(GC-IR)で測定すると、得られる赤外吸収スペクトル上の1500cm-1付近と1600cm-1付近の2か所にF-Ph基の構造に由来するピークが確認された。この2つのピークは、フッ素の結合位置が同じ異性体同士では、ほぼ等しい波数で出現し、異なる異性体間では異なる波数に出現した。この2つのピークの波数に着目することで、F-Ph基を有するカチノン類薬物の位置異性体が容易に識別可能であることが判明した。
|