近年のセミの分布,生態や行動の変化について,地球温暖化やヒートアイランド現象との関係が指摘されているが,不明なことが多い.セミ鳴音と環境要素との関係を分析することで,都市部の環境変化を理解できると考え,鳴音のスペクトログラムと環境要素から多変量解析を行い,日変化,季節変化や地域差を調べている.本研究の測定地の式根島は,自然が豊かで4種のセミ鳴音を測定でき,島の特徴的な気候を都市環境と比較できる.さらに鳴音から正確な個体数や空間的な配置を知るため,低周波騒音測定技術を応用して鳴音の低周波数分析を試みている.成果を活用して,セミ鳴音と環境の関係から地球環境変化について考えるESDを実践している.
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