研究課題/領域番号 |
20H01179
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
藤木 篤 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (80609248)
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研究分担者 |
松田 毅 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (70222304)
斉藤 了文 関西大学, 社会学部, 教授 (60195998)
神崎 宣次 南山大学, 国際教養学部, 教授 (50422910)
井上 悠輔 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (30378658)
太田 和彦 南山大学, 総合政策学部, 准教授 (50782299)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | X-Tech / 予防倫理 / 志向倫理 / 地球工学 / 脱成長 / 人工物 |
研究実績の概要 |
令和2(西暦2020)年度は、研究計画書の記述に基づき、「既存情報の整理・共有を中心とした、今後の研究基盤の構築」を実施した。より具体的には、「研究会合の定期開催」と、「現状把握」の二点を中心に研究活動を行った。個々の所属機関により方針が異なるため、残念ながら対面での研究会の開催は実現できなかったが、オンラインでの近況報告や研究発表等を通じて、それぞれの担当パートの研究進捗情報はほぼリアルタイムに劣らぬ精度でやりとりが行えたと考えている。具体的成果については、例えば研究代表者が2022年度応用哲学会サマースクールにおいて、地球工学の倫理的課題について話題提供を行った。また研究分担者の松田は、同じく応用哲学会サマースクールにおいて、「「脱成長」の応用哲学」と題する講演を行っている。他の研究分担者に関しても、個々の研究調査活動を通じて、その発表成果を発表している。 初年度の研究結果として明らかになったことのひとつは、工学倫理を取り巻く状況が大きく変わりつつあるという点である。特に従来型の工学倫理と環境変化との関係性を探る中で、1.従来の工学倫理のスタンダードであった予防倫理(preventive ethics)に加えて志向倫理(aspirational ethics)への注目が集まりつつあること、2. 工学倫理は受講生の「倫理的想像力の涵養」を優先目標に掲げる一方で、それら教科書においては、最新のテクノロジーについての言及が非常に限られていること、の二点を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年度分の研究実施計画は、2021年度に後ろ倒しする必要が生じた。その内、研究代表者および研究分担者による海外調査も、海外からの研究者招聘による国際ワークショップの開催も、同じくコロナ禍の影響により実際には実現できていない。したがって、区分としては「やや遅れている」を選択せざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の蔓延状況を鑑みつつ、海外の研究者を招聘しての国際ワークショップ等を開催していく予定である。それが実現できるかどうかを問わず、各研究メンバーは、各自で既存資料の読解を進めながら、定期的に開催される本科研の研究会において適宜その成果を発表していく。
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