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2021 年度 実績報告書

倫理的理由の分断と崩壊に関する問題領域を横断した検討による社会的議論の再生

研究課題

研究課題/領域番号 20H01182
研究機関南山大学

研究代表者

神崎 宣次  南山大学, 国際教養学部, 教授 (50422910)

研究分担者 眞嶋 俊造  東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 教授 (50447059)
上村 崇  福山平成大学, 福祉健康学部, 教授 (50712361)
岡本 慎平  広島大学, 人間社会科学研究科(文), 助教 (70821023)
佐藤 靜  大阪樟蔭女子大学, 学芸学部, 准教授 (80758574)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード正義 / 理由 / 崩壊
研究実績の概要

神崎は新規技術の社会的受容をめぐる倫理的議論の検討を行った。具体的には、自動運転技術に関連して学会ワークショップの企画および報告を行った他、EdTechにおける学習データの利活用をめぐるシンポジウムで招待報告を行なった。これらの議論においては、新規技術の社会導入が目指される場面で、倫理的な懸念事項に対して経済を理由としてその重要性を否定して導入を主張するような議論が見られる。こうした議論に対抗する戦略としては上位の社会規範の参照が有効でありえるため、日本におけるELSIの議論でもこうした上位規範への言及が行われるべきであると論じた。
またインターネット上での研究倫理に関しても、学術を理由とした個人(研究対象者など)の権利の侵害などの問題を扱う共著での報告を行なった。そのほか情報倫理に属する実績としては、情報倫理における不寛容の問題に関しても検討を行った。
上村は「ポスト・トゥルース時代の議論」を主題にシンポジウムでの報告を行った。「世論を形成する上で事実よりも感情や個人的な信念にアピールすることの方が影響力を持つ状況」としてのポスト・トゥルース時代においてはそもそも議論が成立しないため、民主主義の理念そのものが自壊してしまう懸念に対する処方箋を報道倫理や哲学教育の観点とも絡めて検討している。
岡本は、eスポーツを正統なスポーツと呼ぶことに対する抵抗を、その理由の検討に基づいて分析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今年度途中にはコロナの状況が改善し、研究会の開催が可能になるという当初見込みを持っていたが、実際にはそうはならず、研究費の執行を伴った活動のタイミングをどんどん後にずらして行かざるを得なくなった。このプロジェクトだけでなく、他の並行する計画にも同様の影響があり、それらの影響の合成によってより大きなずれが生じることになった。また、予定していた関連の成果物の公刊も2022年度にずれ込んだ。初年度からの計画の遅れの累積もあり、進捗状況としては遅れていると言わざるをえない。

今後の研究の推進方策

各分担者の担当領域については当初計画の通りに実施する。これに加えて、前年度までに実施できなかった外部ゲストによる報告を含む研究会を年度前半に開催することで、計画の遅れを取り戻す。年度後半にはプロジェクト全体としての成果の統合を行う。現時点で研究期間の延長は検討していない。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 環境(1) 「危機」と技術的解決可能性2021

    • 著者名/発表者名
      神崎宣次
    • 雑誌名

      文部科学教育通信

      巻: No. 517 (10月11日号) ページ: 22-23

  • [雑誌論文] グループディスカッションにおける可視化情報提示に基づく気づき支援2021

    • 著者名/発表者名
      吉添 衛、服部 宏充、江間 有沙、大澤 博隆、神崎 宣次、久木田 水生、小川 祐樹
    • 雑誌名

      ヒューマンインタフェース学会論文誌

      巻: 23 ページ: 501~512

    • DOI

      10.11184/his.23.4_501

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ポスト・トゥルース時代の議論2021

    • 著者名/発表者名
      上村 崇
    • 雑誌名

      法政論叢

      巻: 57 ページ: 373-390

    • DOI

      10.20816/jalps.57.0_373

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] eスポーツはスポーツか?もしそうでないなら、どのような意味で?2021

    • 著者名/発表者名
      岡本 慎平
    • 雑誌名

      ぷらくしす

      巻: 22 ページ: 1~9

    • DOI

      10.15027/50884

    • オープンアクセス
  • [学会発表] 第三報告2021

    • 著者名/発表者名
      神崎宣次
    • 学会等名
      応用哲学会第13回研究大会 ワークショップ「自動運転技術の社会的受容 ─記述的研究と規範的研究の接点─」
  • [学会発表] 意思決定支援としての研究倫理 ~ AoIR倫理ガイドラインの原理と倫理分析 ~2021

    • 著者名/発表者名
      大谷卓史・大澤博隆・壁谷彰慶・神崎宣次・久木田水生・西條玲奈
    • 学会等名
      電子通信情報学会 技術と社会・倫理研究会
  • [学会発表] eスポーツの研究と倫理:倫理学からみたeスポーツと科学・生理学の課題・未来,2021

    • 著者名/発表者名
      岡本慎平
    • 学会等名
      第29回日本運動生理学会大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 楽しいゲームが害になる時:インターネット・ゲーム障害の倫理的含意について2021

    • 著者名/発表者名
      岡本慎平
    • 学会等名
      アバター共生社会の倫理
    • 招待講演
  • [学会発表] 倫理の観点からみたEdTechのELSI論点2021

    • 著者名/発表者名
      神崎宣次
    • 学会等名
      シンポジウム「学習データ利活用EdTech(エドテック)のELSI(倫理的・法的・社会的課題)」
    • 招待講演

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公開日: 2022-12-28  

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