研究実績の概要 |
2023年度には、熊谷が中心となり、ドゥク派開祖ツァンパギャレー(1161-1211)の伝記ならびに著作集のクリティカルエディションならびに試訳を作成した。伝記については、申請者が入手した作者の異なる7種類のツァンパギャレーの伝記を比較検討することで、彼の人物像を多角的に分析した。7種類の伝記のうちツァンパギャレーの直弟子作成の3種類については、昨年度にエディションを出版した。 2023年度には、直弟子以降に作成された3種類の伝記のクリティカルエディションと試訳を完成させ、現在、出版に向けて、王立ブータン研究所と協議中である。 また、ブータン、シッキム、アルナチャルプラデーシュ地域に焦点を当てた学際的な欧文書籍『伝統的近隣と異なる近代化:ブータン、シッキム、モン地域』(Seiji Kumagai, Miguel Alvarez Ortega, Anna Balikci Denjonpa, Francoise Pommaret: Traditional Neighbours, Different Modernities: Bhutan, Sikkim and the Mon Region, Kyoto/Melborne: Kyoto University Press/Trans Pacific Press (2024))を出版した。ドゥク派の歴史(特に分派の歴史)に関する概論的論稿を出版した。小西はブータンを訪問し、仏教以前の情報を収集し、今後、仏教との比較を行う材料を得ることができた。 真崎は、ブータンのGNHから持続可能な開発の方向付けについて考察をするなど、GNHの歴史と指標、地域情報に関する二次文献を収集し、持続可能な開発ゴールに関する国際学会報告などを行った。
|