研究課題/領域番号 |
20H01184
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
浅野 春二 國學院大學, 文学部, 教授 (30289714)
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研究分担者 |
丸山 宏 筑波大学, 人文社会系, 教授 (00229626)
吉野 晃 東京学芸大学, 教育学部, 名誉教授 (60230786)
廣田 律子 神奈川大学, 経営学部, 教授 (70260990)
小塩 さとみ 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (70282902)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヤオ族 / 儀礼文献学 / 道教 / 比較研究 / 儀礼システム |
研究実績の概要 |
令和2年度は、新型コロナウィルス流行拡大のため、中国・ベトナム・タイなどにおける現地調査によって新たな資料を収集することはできなかった。そのため、研究代表者、研究分担者のそれぞれが現在までに収集している資料に基づいて研究を進めた。 上光儀礼に関するテキストの翻訳、『大歌書』のテキストの整理、歌謡の分析、楽譜化においてそれぞれ研究の進展を見た。 上光儀礼のテキストの翻訳については、研究分担者丸山宏が令和3年度にその成果の一部を公表する予定である。『大歌書』については、研究分担者廣田律子が令和2年度に研究発表としてその成果の一部を公表している。歌謡については、研究分担者吉野晃が令和2年度に関連した研究成果を公表している。歌謡・儀礼音楽の楽譜化については、研究分担者小塩さとみが令和3年度以降にその成果を公表する予定である。 海外における現地調査は実施できなかったものの、国内では神像画の調査・データ化を行うことができた。芸術学の専門家に研究協力者としての参加を求め、国内に所蔵されている神像画の調査を行った。さらに、神像画を借用し、アートスキャンによるデジタルデータ化を行った。このデータは、今後のヤオ族神像画の比較研究にあたって基礎となる貴重なデータである。 以上のように、令和2年度は儀礼テキスト、歌謡テキスト、儀礼音楽、神像画等の個別的研究を深めていくことで研究を実施したが、今後はそうした成果を共有し、非文字資料も援用してヤオ族儀礼文献の研究を推進していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、中国・ベトナム・タイなどにおける調査を前提として研究計画を立案していたが、令和2年度は新型コロナウィルス流行拡大によって海外における調査がまったくできなかった。そのため、すでに収集済みの文献資料・映像資料を活用し、資料の整理・分析を進めることで、研究の進展を図った。国内の資料の収集も行ったが、これは神像画に限られたものとなった。 一定の成果は挙げ得たものの、当初予定していた「実際に行われている儀礼の調査」、特に「儀礼を執行する祭司の儀礼知識・儀礼解釈の調査」が行い得なかったので、全体としては、本研究課題の進捗状況は「やや遅れている」と評価せざるを得ない。 本研究においては、現地調査による資料収集が重要であり、できるだけ早く実施することで、研究の遅れを取り戻したいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
本研究において重要な現地での儀礼調査は、今後も実施が困難な状況は続くものと思われる。現地調査の実現へ向けての努力は続けるが、まずは、令和2年度に引き続き、すでに収集済みの資料を活用しての研究を推進していく。その際には、現地調査が可能となった場合の準備となるように、比較研究に必要な資料の収集・整理を進めるとともに、儀礼解釈上の重要な点について、我々の認識や問題意識を深める努力をしていきたい。
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