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2020 年度 実績報告書

宗教現象学の形成と論争に関するトランスナショナル・ヒストリー

研究課題

研究課題/領域番号 20H01188
研究機関東京大学

研究代表者

藤原 聖子  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (10338593)

研究分担者 奥山 史亮  北海道科学大学, 全学共通教育部, 准教授 (10632218)
志田 雅宏  東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 講師 (10836266)
江川 純一  明治学院大学, 国際学部, 研究員 (40636693)
藁科 智恵  日本大学, 国際関係学部, 助教 (60868016)
木村 敏明  東北大学, 文学研究科, 教授 (80322923)
宮嶋 俊一  北海道大学, 文学研究院, 教授 (80645896)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード宗教現象学 / 国際宗教学宗教史学会 / 宗教学史 / 国際学会 / トランスナショナル・ヒストリー
研究実績の概要

本年度はコロナ禍により海外調査を実施できなかったため、前期の研究(基盤研究B「宗教現象学の歴史的変遷と地域性に関する包括的研究」16H03354)のアウトプット・フィードバックや、文献資料の読み込みに注力するほか、ヨーロッパの研究者の協力を得て関連資料の収集を進めた。
①10カ国の宗教現象学者に対するインタヴュー集をまとめ、国際宗教学宗教史学会叢書シリーズの一冊として刊行した。今期の研究課題は、国境を超えた宗教学者・宗教現象学者の移動に注目することであるため、まずナショナルなアカデミアの枠内でどのような展開があったか(あったとその国の宗教学者により認識されているか)について、このインタヴュー集に基づき理解を共有した。
②各研究分担者もそれぞれの課題に取り組み、研究成果を発表した。ドイツ、ルーマニアなどのナショナルなコンテキストでの宗教現象学の展開、またエラノスや国際宗教学宗教史学会などの国際会議での研究者の交流について分析が進んだ。
③国際宗教学宗教史学会に1950年代から関わり、後にその会長を務めたAnnemarie Schimmel (1922~2003)について、マールブルク大学の研究者の協力により、大学等に保存されていた未整理資料を整理した。その成果は2021年4月にマールブルク大学宗教博物館の特別展示として公開される予定である。
④国際宗教学宗教史学会の宗教現象学との関係を批判し、かつ、グローバル化・インクルージョンを目指す現在の同学会の方向性を同様の観点から批判する論文に対して、事実関係の説明に基づく反論を行った。
⑤国際宗教学宗教史学会に1960年代から関わり、事務局長・会長を務め、学会のグローバル化を推進したMichael Pye氏に、第二次大戦直後の同学会発足時の状況、国際情勢の影響について聞き取り調査を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記のように、コロナ禍により海外に渡航できないという制約はあったが、本研究グループのメンバーが、国際宗教学宗教史学会の拠点の一つである(学会のアーカイブが存在する)マールブルク大学の宗教学者と交流を続けてきたことが幸いし、信頼できる研究者に資料整理を委託することができた。
各研究分担者も、コロナ禍により海外渡航はもとより、様々な困難を抱える中で、極力研究を進めることに注力し、海外にも国内にも成果を発表するに至った。上述①のインタヴュー集は宗教学分野の国際的な書評誌、Religious Studies Reviewで取り上げられた。
他に、成果発表の場として予定していた国際学会(ニュージーランドで開催される国際宗教学宗教史学会世界大会)はコロナ禍により開催中止となった。

今後の研究の推進方策

2021年度に海外での調査がどの程度可能になっているかにもよるが、よりトランスナショナルなコンテキストにおいて、どのようなアクターが宗教現象学と国際宗教学宗教史学会に関わったかについてより詳しい分析を進めていく。その内容については、まず研究会や学会発表を通して、国内・海外の研究者からのフィードバックを得て練り上げていく予定である。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 4件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] マールブルク大学/マールブルク宗教博物館(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      マールブルク大学/マールブルク宗教博物館
  • [雑誌論文] 「世紀転換期ドイツ・プロテスタント神学における『神秘主義』-R.オットー理解の観点から-2021

    • 著者名/発表者名
      藁科智恵
    • 雑誌名

      国際関係研究

      巻: 41 ページ: 81-92

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] What's in a (Change of) Name? Much, but Not That Much and Not What Wiebe Claims2020

    • 著者名/発表者名
      Satoko Fujiwara and Tim Jensen
    • 雑誌名

      Method & Theory in the Study of Religion

      巻: 32/2 ページ: 159-184

    • DOI

      10.1163/15700682-12341478

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 宗教概念批判以降の宗教現象学の可能性について2020

    • 著者名/発表者名
      宮嶋俊一
    • 雑誌名

      基督教学

      巻: 55 ページ: 1-13

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 戦間期ルーマニアにおける宗教現象学の形成2020

    • 著者名/発表者名
      奥山史亮
    • 雑誌名

      北海道科学大学研究紀要

      巻: 48 ページ: 147-154

    • オープンアクセス
  • [学会発表] エラノス会議におけるユダヤ・ルネサンスと宗教学の展開2020

    • 著者名/発表者名
      奥山史亮
    • 学会等名
      宗教倫理学会第21回学術大会
  • [学会発表] エラノス会議の場としてのアスコーナ2020

    • 著者名/発表者名
      藁科智恵
    • 学会等名
      エラノス研究会
  • [学会発表] 宗教研究の言説空間をめぐって――ヴィーコからペッタッツォーニへ2020

    • 著者名/発表者名
      江川純一
    • 学会等名
      日本倫理学会
  • [図書] Global Phenomenologies of Religion: An Oral History in Interviews2021

    • 著者名/発表者名
      Satoko Fujiwara, David Thurfjell, Steven Engler
    • 総ページ数
      308
    • 出版者
      Equinox
    • ISBN
      9781781799147
  • [備考] Annemarie Schimmel

    • URL

      https://www.uni-marburg.de/de/relsamm/sammlung/sonderausstellungen/annamarie-schimmel/annemarie-schimmel-wissenschaftlerin-sprachgenie-dichterin-und-freundesammlerin

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公開日: 2022-12-28  

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