研究課題/領域番号 |
20H01225
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研究機関 | 筑紫女学園大学 |
研究代表者 |
大城 房美 筑紫女学園大学, 文学部, 教授 (80289595)
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研究分担者 |
濱野 健 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (40620985)
杉本 B.Jessica 龍谷大学, 国際学部, 准教授 (60434750)
長池 一美 大分大学, 国際教育研究推進機構, 教授 (90364992)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 女性 / マンガ・コミックス / 国際 / 表現の自由 / 規制 |
研究実績の概要 |
2020年度より始めた本研究は、申請時には全く想定していなかったコロナ禍に研究当初から見舞われ困難を伴った。繰り越しによる予算再編成と、研究分担者と研究協力者(海外を含む)の協力により、方法の大幅な変更に対応しながら2年にわたることで、当初目指していた研究目的を遂行することができた。 マンガ規制研究については国内の代表的な編著者に協力を得て、取材を行なった。さらにその著者による重要な規制研究の英語版翻訳Erotic Comics in Japan (Amsterdam University Press)が同年出版されたことを受け、プロジェクトメンバーと研究協力者を含む7名による公開国際会議を2021年3月に開催した。この会議には、日本における規制の問題をグローバルに討議できる場として、国内外からの参加者があり、規制とマンガ、女性やジェンダーの現代における多様なあり様や今後の研究方法などについての活発な議論を行った。 2021年度には繰り越しによって、引き続き初年度に予定していた活動を続けた。東南アジアの研究協力者の協力により、シンガポール、マレーシアで活躍する東南アジアコミックスアーティストに取材を行い、文化的、宗教的背景から日本とは大きく異なるマンガ表現や出版の現状について確認することができた。規制研究の要としての国内外の図書館に関わる情報は、アメリカのKids Comicsを領域として執筆するアーティスト、 NY Public Library の司書、長年NY で教鞭をとる研究者などを取材調査した。さらに国内の図書館状況についても漫画を所蔵するミュージアムの協力を得て取材をすることができた。また、日本の少女漫画を半世紀にわたって牽引し、現在は海外においても高い評価を得ている作家にも漫画の歴史的観点を含むインタビューを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
東南アジアと日本国内に焦点を当て、実際に施設やアーティストを訪問することによって状況を把握するという当初の研究方法はコロナ禍のため、叶わなかったが、国内外の研究協力者の協力や分担者の努力により、実地での取材に代わるオンラインでの取材調査や国際会議の運営・開催などを効果的に遂行することにより、当初想定していた以上の成果を上げることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
現在本研究は、初年度から見舞われたコロナ禍のため、2020年度一年で行う予定だった研究を繰越によってようやく2年がかりで遂行できたところである。今後は、2021年度分の繰越による研究と、本来2022年度に予定している研究の準備と遂行を行う予定である。 2年分の研究を重ねることで計画に困難が生じることが予測されるが、当初の研究計画や研究方法を見直し、工夫を加え、目的が達成できるよう尽力し、訪問地や感染状況を確認し、プロジェクトメンバー(分担者と国内外の協力者)とともに、より効果的でかつ無理のない研究計画の実現を図る。 2021年の繰越によって、国内・アジア(インドネシア、タイ、など)を中心に調査を行い、多言語教育とマンガ教材についての取材を遂行し、取りまとめを行う。 2022年度に計画していた欧米圏については、コミックス・マンガのアーカイブを構築している研究機関(ニューヨーク・Washington D.C.)を中心に調査するための準備を整えてゆく。
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